団体紹介

ごあいさつ

会長:平野 幸久

  中部産業連盟は、その前身である新産業連盟が掲げた戦後の経済ならびに産業の復興・発展という大志を受け継ぎ、昭和23年4月1日商工省(現経済産業省)所管の公益法人として設立されました。その歩みは、日本が戦後の荒廃から国づくりの礎(いしずえ)をモノづくりに求め、邁進してきた日々そのものであり、試行錯誤とチャレンジの積み重ねでもありました。この間、日本はモノづくり立国として、世界が目を見張る発展を遂げました。本連盟も自らの存在の意義を確信するとともに、使命の重要性を再認識するところであります。  さて現在、日本経済は大変革期に直面しております。AIやIoTが生む製造業のパラダイムシフトなど、これまでのモノづくりのあり方までも大きく変えるような100年に一度の変革とも言われております。
 まさに経営とは、変化への対応力と言われる通り、変化に対応していかなければ、その存続は覚束ないということであります。その一方で、日本人が育んできた日本的経営の精神とあり様は、この未曾有の変革期にこそ見直すべきとお考えの経営者の方々も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
 つまり、変えてはならない底流に流れる本質的なものと、変えなければならない時事変化する現象的なものを見極め、産業界が目指すべき方向について、今一度考えるべきではないかということです。
 この変革期は、一方で新たな可能性を見い出し、明日への展望を拓くチャンスになるかもしれません。そのために必須なのがイノベーションであり、それを担う人材であります。ここで申しあげるイノベーションとは、天才による大発明ではなく、たとえば、各企業が育む固有の技術、日本人が幾世紀も醸成してきた伝統技術をユニークなアイデアや異分野の技術、先端技術と融合させて、新たな付加価値を生むことであります。
 企業規模の大小に関わらずイノベーションは、それを担う人材がいてこそ可能であり、その人材をどう育成するかです。日本は人口減少と少子高齢化が急速に進み、各企業におかれましても人材育成の難しさを痛感されていることと存じますが、「モノづくりは人づくり」の意味を今一度かみしめていただき、最重要課題として一層の努力を願うところです。
 この大変革期の中、本連盟は産業界と企業のお役に立つべく設立の初心にかえり、「経営および技術の啓発」を計り、「事業援助を為し以て産業の振興と発展」に貢献していく所存です。

 大事なのは、この変化への対応についてのひな形的な答えは用意されているわけではなく、各企業が直面する固有の課題に対して、本連盟は企業と共に考え、模索し最善の対応を創出していくことが、本連盟の使命です。
 そしてもちろん、研究開発し蓄積してきた「知」と「活動の結晶」は本連盟の大きな基盤であり、実効性の高いマネジメント・ノウハウの開発、専門性の高い産業人材育成を進めながら、経営革新と人づくりのお役に立っていく所存です。何卒、ご支援ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

一般社団法人中部産業連盟
会 長 伊奈 功一