2010年、中部産業界の企業経営者を中心とした発起人の呼びかけのもと、中部から世界に通じる経営リーダーを輩出するための育成塾が誕生しました。

それが、中産連が運営する「木曽駒塾」です。

「木曽駒塾」は、発起人と中部産業界を代表する経営者による講義や推薦書籍の読み込みによる塾生同士の徹底したグループ討議を通じて知性を磨き、考え抜く力・決断力・実行力を養います。そして、コーディネーターが講義やグループ討議の総括を行うことで、気づきや経営哲学の醸成を促します。また、塾生相互の人脈経営を図ります。

第17期 木曽駒塾 開講によせて

現在、われわれを取り巻く産業環境は、かつてないスピードと規模で非連続な変化を続けています。いわゆるVUCAの時代が本格化し、過去の成功体験の延長線上には企業の存続すら危ぶまれる厳しい現実があります。テクノロジーの面では、生成AIに代表される“破壊的”技術が産業構造そのものを根本から覆しつつあります。同時に、地球環境問題への対応を迫られるGXの推進、地政学的リスクを背景としたグローバルサプライチェーンの再構築、さらには少子高齢化に伴う深刻な労働力不足など、企業が対峙すべき課題は複雑に絡み合い、複雑・高度化の一途を辿っています。もはや、単一の部門や既存の枠組みの中だけで解決できる課題は皆無に等しく、今から160年以上も前に提唱された「変化に適応できるものだけが生き残る」という理論を痛感する状況下にあります。

この激動の時代だからこそ、一層求められるのが「真のリーダーシップ」の圧倒的な重要性です。過去の安定成長期において求められた、決められたレールの上で効率を追求する「管理型リーダー」の役割はすでに終焉を迎え、今求められているのは、不確実な未来の先に確固たる「ビジョン」を描き、周囲を巻き込みながら未踏の領域へと踏み出す「変革型リーダー」です。

正解のない問いに向き合い、時には自らが率先してリスクを取り、失敗から学びながらアジャイルに前進していく力。そして、多様な価値観を持つ人財を束ね、共感を生み出し、組織全体のポテンシャルを最大化する人間力。これらを備えたリーダーの存在こそが、企業、ひいては日本の産業界が再び世界で輝きを取り戻すための最大の原動力となります。

発起人の皆さまと455名に及ぶOG・OBの皆さまからのご尽力をいただき、第17期を迎えることができました本講座は、単に最先端の経営理論やビジネスフレームワークを学ぶための場ではありません。産業界の最前線で起こっている生きたケーススタディを通じて、ご自身のリーダーとしての「軸」を徹底的に問い直し、鍛え磨き上げるための場です。

ここに集った皆さまには、所属する企業や業界の垣根を越え、互いに切磋琢磨し、時には激しく議論を交わしていただきたいと願っています。異なる視点との衝突から生まれる新たな気づきこそが、皆様を次の次元のリーダーへと引き上げるはずです。

産業界を代表する優れた経営者の方々から直接受ける講義や講師の推薦する課題図書の読み込みから得られる気づき、そして次世代リーダー相互の徹底した討議を通して切磋琢磨することは「教養」のみならず「感性」を高めることになります。そのような“深み”のある人間が「真のリーダーシップ」を実践することこそが本講座の狙いとしているところであります。本講座が高い志を持つ者同士の相互研鑽による次世代リーダーへの大きな飛躍と成長の第一歩となることを心より祈念いたします。

2026年8月

  一般社団法人中部産業連盟
専務理事
松村 佳洋

発起人

岡田 邦彦 氏 
J.フロント リテイリング株式会社 特別顧問
柴田 昌治 氏
日本ガイシ株式会社 特別顧問
小澤 正俊 氏
大同特殊鋼株式会社 特別顧問
渡辺 捷昭 氏
トヨタ自動車株式会社 元代表取締役社長
JMS推進機構 初代理事長
川口 文夫 氏
中部電力株式会社 元代表取締役会長
竹内 弘之
一般社団法人中部産業連盟 元副会長
多賀 潤一郎 氏
イビデン株式会社 元代表取締役会長 
一般社団法人 中部産業連盟 元相談役
※2025年11月に逝去されました。
内藤 進 氏
リンナイ株式会社 元代表取締役会長
一般社団法人中部産業連盟 元会長
※2017年3月に逝去されました。
須田 寬 氏
東海旅客鉄道株式会社 元代表取締役会長 
一般社団法人中部産業連 元顧問 
※2024年12月に逝去されました。
【コーディネーター】
青井 倫一 氏
明治大学専門職大学院 グローバル・ビジネス元研究科長・教授
慶應義塾大学ビジネススクール 名誉教授(元校長)
※2016年9月に逝去されました。