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JMS日本経営管理標準

日本のものづくり経営管理の叡智、JMSが生まれ変わる

1990年代の「失われた10年」を奪還し、新世紀に向けさらなる成長を遂げグローバル競争を勝ち抜くことを目指して制定されたJMS。ここには愚直で真摯な、我が国ものづくりの現場での実践が体系的に網羅され、つねに改善を目指すための、「身の丈の評価」ができる指標がまとめられていました。

あれから20年。JMSは新たに、中小ものづくり企業の経営に資することを目指して、生まれ変わります。

激しい競争環境変化の中で、中小ものづくりは剣ヶ峰に立たされています。しかし、経営資源の制約に苦闘しながらも、強いリーダーシップをもった経営者と活気あふれる従業員たちが荒波の中、日々懸命にものづくりをしていることも紛れもない事実です。

JMS発足の精神を引き継ぎつつ、今まさに勝ち残りをかけて必死に頑張っている中小ものづくり経営者、とりわけ従業員を中心に据えた経営に心を砕く経営者の役に立つものとしてJMSを再生しようというプロジェクトが立ち上がり2年。同じ志を持つ経営者によるワーキング活動で相互研鑽、検討を重ねた末、漸く発信するものができました。

これは、経営者自らの「行動」を自ら「見える化」して確認し、自身でスパイラルアップさせるための「きっかけ・手がかり」としていただくことを目的としています。

とかく経営者の行動は管理者のそれとは違い、指摘を受けることも少なく、実行が停滞しても咎められることは稀です。今回新たに発信するJMSは、心ある経営者の自発的な踏み出しを支援し、現実を直視し内省を促すツールです。さらに、新JMSのもとで同じように取り組む経営者が相互に研鑽し、悩みを共有し、ともに向上していく「場」としてワーキング活動を運営・提供します。

新JMSが支援する中小ものづくり経営観
「従業員を中心に据えたマネジメント」
(Employee Centered Management)

中小ものづくりの成長に真に役立つ新たなJMSづくり、という思いに賛同し共に活動した経営者達に共通していたのは、「人」という経営資源を重視しており、彼らの幸福を追求しつつ、育成し活躍させることに会社の将来をかけていること。従業員の働く価値を高め、「ここでのものづくり」にプライドを持たせ成長させることこそが、将来に渡り強みとなる競争力の源泉である、という経営観といえるでしょう。

従業員を中心に据えた経営を成り立たせるために、次の3つの力を発揮していることも特長的でした。

○行動力(経営者自ら動く力)
現状を当たり前とせず、甘んじず、常にレベルアップのための変化を仕掛ける。本来の目的を踏まえ、顧客にも場合によってはものを言っていく。前後工程や新市場に拡張することを常に視野に入れ行動する。

○対応力(応える力)
顧客の期待の一つ上を実現する。そのために、今の技術の一歩先を必要とする環境を作り、挑戦させる。

○連携力(つながる力)
オープンな姿勢で行動し、補い合う。他社の強みを素直に、敬意をもって接して刺激を受けつつ、自社の強みを提供し、外の風をあてて鍛える。