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OVMS(Office Visual Management System)
ねらい
OVMSとは、オフィスに適用するVM(Visual Management)手法の体系で、物・業務・管理のビジュアル化を推進することにより、情報と問題点の視覚化すなわち共有化や業務の標準化・ルール化を実現し、従業員一人ひとりが迅速かつ高品質な業務処理と問題解決を図ることを可能とするための手法です。
現業部門の生産性、安全性や品質などは、その上流工程であるオフィス業務(顧客との取り決め、製品設計、工程設計、条件設定、生産計画、作業指示など)が大きな影響力を持ちます。そのため、そうしたオフィス業務の品質や効率を上げることが、企業業績全体の底上げにつながります。また、管理・間接業務そのものを改善、改革することで、コスト低減や省人化につながるだけでなく、企業としての体質改善、組織力向上が実現できます。
OVMSの導入は、こうしたオフィス業務の改善・改革をターゲットにしています。
OVMSの体系
特長
現業部門の職場では機械トラブルや仕掛品の停滞など“いま起きている問題”が目で見えますが、オフィスではそうした問題は目に直接見えません。つまり、品質、効率、納期などの問題が潜在化しているケースがほとんどなのです。OVMSの大きな特徴は、“3つのビジュアル化”を段階的に進めていくことで、そうした管理できない状況を変え、オフィス業務の改善・改革を実現していくことです。
まずは“物のビジュアル化”として、5S活動を徹底して推進します。全部門、全員参加で職場内の整理・整頓を行い、業務で使用する物を探し回ることなく、すぐに、快適に使える環境をつくっていきます。また、清掃・清潔・しつけで維持と改善を図ります。アイデア出しや活動時間の捻出に苦慮することもありますが、こうした活動を計画的かつ組織的に続けることで、さままざまなムダを職場から排除すると同時に、一人ひとりの意識改革につなげます。
次に“業務のビジュアル化”として、ファイリングシステムを構築します。ファイリングシステムの設計段階では、企業や職場の保有する業務と書類を棚卸しして、両者のひも付けを行います。最終的に、ファイル背表紙で、業務や管理ルール(保管・保存期間など)すべてが見え、情報の共有化が劇的に改善されます。それにより、オフィスで過度に進んだ担当業務の縦割り、分業制の弊害に風穴を開け、多能化、相互の助け合い、負荷の平準化を可能とする素地をつくります。また、最終的にファイル背表紙に表れる業務と書類のひも付けは、電子データにも応用し、ファイルサーバの中の整理・整頓も実現します。
そして3段階目のフェーズが、“管理・改善のビジュアル化”です。職場の持つ役割・使命に従って、方針・目標を設定し、日常業務を管理します。どちらも、目標達成や業務完了に向けてのプロセスとしてPDCAサイクルを見えるようにして管理し、品質、生産性など組織としてパフォーマンスを最大限に上げられるようにします。こうした活動は部門単位がベースとなりますが、もちろん部門横断的な課題に対しても効果を発揮します。
3つのビジュアル化
事例
3つのビジュアル化それぞれの事例を示します。これらは、その職場の中の一人ひとりが考え、手を動かして協力してつくり上げ、ルールに基づいて運用・活用していきます。そして、より良いやり方の気づきがあればまた改善の手を加え、どんどん進化させます。
つまり、ハード、ソフト、ヒトという3つの要素が一体となって、オフィスの改善・改革を進めるのです。
検索性に優れた物のビジュアル化
情報の共有化を強力に進める背表紙
プロセスを透明化してPDCAを回す
成果
3つのビジュアル化が進んだオフィスでは、知恵や余力を互いに融通し合う環境が整い、またそうした助け合いを促進する意識が一人ひとりに浸透し、組織風土として定着します。OVMSの成果には以下のようなものが挙げられます。
(1)定性的成果
①マネジメントの質の変化(管理の質およびスピードの向上)
②管理者・リーダーの管理能力・改善能力の向上
③人、組織と風土の活性化
(2)定量的成果
①業務リードタイムの短縮
②業務工数低減(時間、人数)と生産性向上
③業務遅れ・納期遅れの減少
④クレーム、ミスの減少
お問い合わせ先
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