次代を担う若者たちへ

天野浩教授の写真
名古屋大学
未来材料・システム研究所
未来エレクトロニクス集積研究センター
センター長・教授
天野 浩

未来展2016に参加される若いみなさんへ。

みなさんは普段の生活でスマホ、携帯電話やPCを何気なく利用しますよね。今は基本的な通信機能だけではなくて、さまざまなソフトウェア、アプリが豊富にあります。位置情報も正確ですし、サービスに対する支払なども簡単にできます。最近では家の鍵もスマホでできますね。スマホとアイディアさえあれば、どんなことでもできそうな気がしてきます。ものつくりに取り組むきっかけの一つに、まずスマホやPCを利用するのも良いことでしょう。普段の生活で不便に感じていることに対して、それを解決するアプリがもし無ければ、自分で開発することも、今ではそれほど大変なことではありません。もし興味があれば、是非取り組んでください。ひょっとしたら、それが発展して専用システムが世の中に出て活躍するかもしれません。

自分が学生の頃は、PCがまだマイコンと呼ばれていた時代で、スマホなどは世の中にない時代でした。自分が熱中した青色LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)は、当時ブラウン管であったディスプレイをスマートなものにしたいという単純な気持ちでした。その実現に向かって一心不乱に取り組み、やっている時は楽しくて仕方がなかった。そのような時代と比べると、今のみなさんは、ほしいものは何でもあって、何をすべきか迷ってしまいそうで気の毒な気もします。しかし、例えばスマホアプリでは、微生物から感染症の予防に有効な物質を発見したり、ニュートリノの質量を見出すなどということは、できなかったでしょうね。

みなさんにはまだまだやるべきことがたくさんあります。今一度落ち着いて、みなさんの周り、あるいは日本や世界に目を向けてみてください。解決すべき問題が山積していることに気が付くと思います。例えば人口増加問題、およびそれに関連した食糧問題、安全な水の問題、難民の問題、テロの問題、気象変化の問題、環境悪化の問題、災害に対する対策、情報セキュリティの問題、エネルギー問題、平均年齢の高齢化・健康寿命問題、一極集中・地方活性化の問題などなど、ちょっと考えただけで、取り組むべきテーマがたくさん挙がります。これらも含めて問題に対する取り組み方は人それぞれです。大切なことは、自分なりのやり方で最後までやってみよう、自分が主人公である、という気持ちです。人類への貢献、という気持ちで課題に取り組めたら、わくわくすると思いませんか?

みなさんのご活躍、これからの成果を楽しみにしております。